都内屈指の高級住宅の一隅に建つ、洗練されながらも静かで澄み渡った温かいお宅です。
この度、ご自身達にぴったりな物件とご縁ができ、お引越なされたお客様より、床の甦生ができないかご相談を頂きました。
送られてきた画像を拝見しますと、ピースの際が反り、浮き、黒ずみ、欠落しています。
ピースの継ぎ目は触れると痛いだろうな、というようにギザギザになっています。
床材の光沢が、どうも通常のワックスではないなと感じ、コーティング済だとしたら剥がせないからどう補修したらいいかな、と想像します。
劣化部が限定的だといいが、広いとなるとやっかいだな、というところです。
お客様としては床全体の印象(見た目や室内各所造作との調和)がよいので活かしたい、
また床暖房の本来の性能を発揮させたいのでなんとか甦生できないか、とのことです。
劣化部はほんの一部かと思ったのですが、実際は劣化したエリアは広いものでした。
リフォーム会社さんが来られて言うには、随分劣化している上、「ガラス コーティング」されているのでどうしようもない。上に薄い床材を貼るしかない、とのことです。
念の為ワックス剥離剤を床に塗布し、こすってみると「ガラス コーティング」が溶けました。
塗られていたのは、ガラス コーティングではなく、普通のワックス ( バフィング処理)でした。
この床は、木目調のプリントを床材表面に張り付けた「シートフローリング」です。
基材の一部に 「 MDF」 が使われており、浸透した水を含んで床材が膨らみ黒ずみ、広範囲でピースの際が反り返っています。
上貼りを勧められるのも、むべなるかな。
まず補修エリアを明確に区切り、バフィングで硬く変質したワックスを剥離洗浄します。
劣化部を数次の工程を踏んで成形します。
そこに4段階の塗装工程を踏み復元します。
補修部を含むリビング右半分に シリコーン コーティングを施します。
お客様に大変ご満足して頂くことが出来ました。
更にリビング左面~キッチン・廊下・洋室各所にあった劣化部の補修とシリコーン コーティングも無事納まりました。
シートフローリング甦生の完了です。