東京都品川区 四つ星ホテル

『 塗装済みバスタブ 』 の 甦生

旧塗膜研磨後の塗装済みバスタブの様子

2020年より毎年20部屋前後、

2014年頃に塗装されたホーローバスタブの修復をさせて頂いています。

 

4年を待たず、底面の密着不良部が

プクプク剥がれ出して困っておられました。

 

部分的にパテ埋め・タッチアップ等で

対応しても『いたちごっこ』となるだけで

ご担当者の方は暗澹たる気持ちでした。

  

将来を考えて一番良いのはもちろん

全面剥離の全面塗装でしょうが、

コスト・日数・手間など、ホテル様側の

負担が大きすぎて、どうしたものか、と。

 

そういう中で編み出されたのが、

1)『底面のみ全面剥離+修復塗装』

2)『底面不良塗膜の研磨調整+修復塗装』

 

1日で施工完了します(但し14時間)

色さえ合えば全塗りと比べ遜色なく、

ダクト設置によりフロア売り止めも不要で、大変喜ばれています。


1) 『底面のみ全面剥離 + 修復塗装』 版

最上階 スイートルーム

剥離剤を塗布し、

旧塗膜を剥がしていきます。

 

剥離剤は大変強力で扱いが難しいです。

 

バスタブに気を取られていたら、

思いも寄らないところへ深刻なダメージを

与えていた、などに注意します。 

剥離し終わった底面の様子

 

剥離をどこまでするか、は考えどころです。

これからは研磨 で段差を均していきます。

 

最後に、旧塗膜を塗装した方を信頼仕切るのでないならば、必要な処理をします。 

※旧塗膜施工時のエッチングが甘いので

ベース塗装完了後の様子

 

ホーローにもしっかり密着する

安心なベース剤を塗ります。

 

『旧塗膜研磨調整版』とは違い、

旧塗膜が全く無くなっているので

膜厚をどう稼ぐかは工夫が要ります。

ベース塗装が乾燥したら、最終調整で

旧塗膜が完全に残っている『壁面』と、

ホーロー素地 + ベース塗料のみの

『底面』との境目の段差有無を見ます。

 

概ねいいのですが、R部が不自然な場合

もあり、適宜調整していきます。

 

トップ塗装完了後の様子 

 

この施工を創り出していた2020・21年次、

 

『速乾性』アクリルウレタン塗料

を使用し、本来2日は欲しいこの施工を

12時間前後で完了していました。

 

しかし2022年は円安の影響でその塗料が

入らず、やむを得ず乾燥時間はかかるが

密着力・耐久力に優れた国産塗料に

切り替えました。

 

施工負担は増えましたが、品質を考慮

しますとバスタブには断然良いので

結果的に安心度が向上し、よかったです。

甦生後のバスタブ(営業照明)


2) 『底面不良塗膜の研磨調整 + 修復塗装』 版

施工前の様子 (見えにくくて恐縮です)

たくさんの小さな穴が塗膜の中に

見えるでしょうか。

 

一見すると小さな穴ですが、

カッター刃を入れるとサクサクと

広がっていきます。 

刃が入らなくなるところまで

広げていきます。

 

※ 黄色い画像は営業照明 白い画像は現場照明です

穴を剥がれないところまで広げきって

次に穴の凹み感を無くすために、

周辺を研磨していきます。

 

深いところはホーロー素地まで

達してしまうので、

パテにより平滑を創っていきます。

旧塗膜の研磨調整 + 酸洗い状況 ( 現場照明 )

下地の平滑 各種パテ調整 ( 現場照明 )

ベース塗装状況

研磨 + 各種パテ + ベース

 

でほぼ平らはつくられると思います。

 

ベース塗装により、研磨では見極め

られなかった旧塗膜の弱い部分を

反応(ぷくっ)させ、対処し、

TOP塗装に進みます。

トップ塗装前の様子(営業照明)

トップ塗装後の様子(現場照明)

色もぴったり合い、

お客様に特に違和感なく・・・

 

というより、

そもそもバスタブを意識すること

なく使ってもらえる状態だと

思います。

 

14時間(2日仕事)要ります。

甦生後のバスタブ ( 営業照明 )

年々、施工部屋数が増えていっています