上総国 千葉県袖ケ浦市 築20数年の高級住宅

玄関扉の甦生( 既存の塗膜を活かした甦生 )

嵐を鎮めるべく海に入った日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の妃、弟橘媛の袖が流れ着いたという伝説が、その名の由来との袖ヶ浦市。海の青と、豊富な緑と、風が印象的な街でした。


Ⅰ. 問合せの背景・現地調査

ホテルの木の洗面台を甦生した写真を

見て下さった取引先様からのご依頼で、

玄関扉の甦生機会を賜りました。

 

早速お伺いしますと、

・全体的な退色がある。

 特に太陽光の当たる下半分の退色が顕著

・扉下部のクリア塗装が剥がれてきている

・各部、塗装が劣化している。

 

といった現況です。

 

とはいえ、玄関のひさしに守られて

太陽光が直に当たりにくい上から2/3は

塗膜状態も良く、

 

既存の塗膜を剥がさずに、

補修と再塗装+コーティングにより

甦生させることとなりました。 


Ⅱ.施工前に場を浄めたところ…

補修としてはモール及び扉の最下部のみ

と見立てていましたが、

施工前に周囲を浄めてみてびっくり。

 

モール(装飾部材)より下の広い範囲で

水の吸い込みが起きています。

 

これは思いの外、最表面のクリア塗装膜が劣化しているようです。


Ⅲ. 補修状況

劣化部の塗膜を除去。

 

剥がれかけの部分を除去しながら、

研磨で下地を整えます。

 

除去方法は、場所や状態により、

研磨/特殊剥離剤 により行います。

 

 

劣化塗膜を除去して再生した方がいいのか、

 

残し活かして吸い込みを止める手段を

講じた方が良いのか・・・

 

扉と相談しながら進めます。


Ⅳ. 塗装状況①

まずは筆を駆使して木を復元していきます。


Ⅴ. 塗装状況②

筆による下塗りが終わると、

次はスプレーガンを使用した塗装です。

 

色を霧に託し、うっすらうっすらと何層も

色を重ねます。色の割合は0.5%単位で調整。

 

真夏の酷暑・強風・雷雨と、刻々変わる状況に対応するべく、塗装ブースを作ります。


Ⅵ. 補修・塗装後の劣化部

劣化部の吸い込み防止の目止、

劣化塗膜の除去及び欠損部の成形、

木目等の復元、

全面カラーリング、をした状態です。

 

(これから色保護のクリア塗装をします)

 


Ⅶ. 完全無機ガラスコーティング

クリア塗装で塗装工程を終えた翌日、

 

総仕上げの完全無機ガラスコーティングを

施工します。

 

塗装面を極細かく研いで、

最後の肌調整をします。

 

酷暑・屋外・急な雨に対応できる準備をし、丁寧に丁寧に進めます。


甦生前)劣化・退色           甦生後)補修塗装・コーティング

お客様がおっしゃいますに、

「高度経済成長期のころから世の中が使い捨ての時代となり、

 建材も良いものが使われなくなっていく中にあって、

 大切な家族の住まいには少しでも良いものを使いたいと考えた。

 そのうちの一つがこの玄関なので、

 取り換えれば早いのかもしれないが、

 修復できるのならば、そうしてもらいたかった。」

 

とのこと。喜んで頂けたようで、何よりでした。


(龍宮の女神『玉依姫命』を祀る 上総国 一之宮 玉前神社)